陸上競技での代表的なスポーツ障害や怪我
陸上競技は、走る・飛ぶ・投げるといったあらゆるスポーツの基礎動作となる動きを特化させて競います。陸上競技で行わない動作は、ボールを蹴ったり、打ったりしないくらいではないでしょうか。
スポーツでのトレーニングは反復練習で行うことが多いですが、中でも陸上競技は、同じ動作を繰り返す練習が多く、スポーツ障害の原因となるオーバーユースにもなりやすい競技です。
下記に陸上選手に多い怪我・スポーツ障害をご紹介いたします。
例1短距離・跳躍競技の選手に多くみられる怪我
短距離走(スプリント)や、走幅跳び、三段跳び、走高飛び、棒高跳とハードル走を加えた跳躍競技の選手は、大きく早い推進力を必要とするため、下肢の筋肉や腱に大きな負担がかかり障害が起こることがあります。
肉離れ
肉離れとは、筋肉の繊維の損傷で起こります。十分なストレッチをせずに急激な動作をしたり、筋肉に疲労が蓄積している状態時に発症しやすくなります。特に大腿に負担がかかるため、大腿四頭筋・ハムストリング(太ももの裏の筋肉)・腓腹筋といった箇所に肉離れが起こりやすいです。
腱の炎症
下肢部の大きな筋肉に連なる腱(膝蓋腱・アキレス腱・足底腱膜など)に負担がかかり炎症が出ることで痛みが出る場合もあります。
シンスプリント
目一杯ジャンプし着地する動作を繰り返す跳躍競技や短距離ランナーに起こりやすい症状です。すねの骨の内側に鈍い痛みが生じます。症状が悪化すると、スポーツを休養する必要が出てきますので、初期段階でのケアが重要です。
骨折
急激な動作を繰り返すことで脛骨・舟状骨・中足骨の疲労骨折が起こりやすいとされています。また、成長期の陸上選手では、筋の付着部にある骨が引っ張られることで、剥離骨折を起こすことがありますので注意が必要です。
例2中・長距離選手に多くみられる怪我
中・長距離走や競歩の選手は、練習から長距離を走ったり歩行するため、数え切れないほどの蹴り出しと着地動作を繰り返します。そのため損傷の多くは慢性経過によるものが多いです。
中足骨疲労骨折
着地時に衝撃が伝わる骨では疲労骨折が起きやすく、特に中足骨は、足の甲から指の間の部分で、ランニングやジャンプによって大きな力が加わります。初期の疲労骨折の場合、レントゲンでは発見しにくいことがありますので注意が必要です。
アキレス腱の炎症
アキレス腱は、身体の中で一番太い腱で、着地動作の多い競技選手はアキレス腱に負担が蓄積して炎症を起こし痛みが出やすくなります。慢性化しやすいので注意が必要です。
ランナー膝
走ることによる膝の痛みを総称してランナー膝といいます。蹴り出しと着地の動作を繰り返すことで、膝のまわりの筋や腱、軟骨などを損傷して痛みが起きます。特に多いのが腸脛靭帯炎です。骨盤の骨からスネの骨につながっている靭帯が、膝の外側の骨にこすれて炎症を起こすことで痛みを引き起こします。
脛骨過労性骨膜炎
長距離を走ることで、ふくらはぎの筋膜に負担がかり、膜が無理に伸ばされることにより痛みが出ます。スネの骨の内側あたりに痛みが出る症状で、陸上選手や野球やサッカー選手など走り込みを多くするスポーツ選手に起こりやすい障害です。
例3投てき種目の選手にみられる怪我
砲丸・円盤・槍・ハンマー投げの選手にみられる障害は、走る競技の選手とは異なり、肩や肘の関節などの上肢に起こる障害や、より遠くに投げるために下肢や体幹の筋力を使うことで腰や膝に痛みが出ることが多いです。
陸上選手の怪我や症例に経験豊富なまつさか整骨院
まつさか整骨院では、上記のような怪我をした場合、まずは病院(整形外科)にてレントゲン撮影と治療をおすすめしています。なぜなら、国家資格のある整骨院でも、レントゲンや外科手術は行うことはできず、精密な検査により治療やリハビリのプランを立てるためです。
ただし、本格的に競技をされているスポーツ選手の方の場合、病院とは別に当院でもご相談されることを強くおすすめいたします。特にそれがスポーツのプレーによる運動機能障害である場合、ただ病院にかかるだけの場合と、当院も利用されるのでは試合復帰までにかかる時間と、復帰後の肉体的パフォーマンスに大きく差が出てしまいます。
病院は、もちろん治療に関しては専門家でありプロフェッショナルですが、「ただ、時間をかけて万全の状態に治す」、「怪我をする前にの状態に治す」のと、「復帰までのタイムスケジュールを計画して、怪我をする以前よりさらに良い結果を出すことを目的に、元の状態以上に治す」のとでは、選手の将来に大きな差が出てしまいます。
理由当院でスポーツ障害や怪我の治療を受ける5つのメリット
- 練習や試合復帰までをスケジュール化し早期回復をサポート。
- 怪我の予防策、回復トレーニングを徹底指導。
- 様々なスポーツに関する情報があるため、多様なプレー・トレーニングに関するアドバイス。
- 競技別に怪我の原因を突き止め、正しいフォーム指導による再発防止・パフォーマンス向上。
- 症例によって、各種保険が適用できます。
例当院での陸上競技の障害や怪我の症例
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肉離れ50歳 男性 マラソン
1月前にマラソンを走ってから左の膝裏に痛みがあり、治っていくかなとほって置いたら痛みが引かなかった。そのままランニングの練習をしていて、先週痛みが強くなり来院されました。
痛みの箇所をエコーで見ると、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)に、筋肉と腱の変わり目である筋腱移行部に肉離れの跡がありました。
月末にマラソンの大会があるということで、痛みをしっかり取ったほうがいいとご説明し、ラジオ波で結合組織を緩め、超音波でむくみを取り、張り治療で筋肉の硬結を取り、スタビライゼーション(古谷式筋ストレッチ)を指導し、本当の肉離れの原因、左股関節の緩みを直し、予防する体操の指導を行いました。
痛みは初めの治療で半分くらいになり、それからも軽い練習をしても痛みが悪化することがなくなりました。マラソン大会に間に合い、全力で走ることができたとお喜びいただきました。
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膝の痛み46歳 女性 マラソン
マラソンの練習をしていて、5キロ走った後に痛みが出た。腿裏がつっぱり膝が伸びない状態で、体重を左足にかけると痛みが出るので来院されました。
診断の結果、左の股関節が緩んでおり、その原因が腰椎4番のズレで、左の腰とお尻に筋緊張がみられました。
腰椎の矯正治療を行い、超音波で膝周りの筋肉の緊張、腫れを取りました。帰りには膝がしっかり伸びるようになり、体重をかけても痛みが出なくなりました。「これで明日からも練習できる」と喜んで帰られました。後日、見事完走できたとご報告いただきました。
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左股関節の痛み男子高校性 高飛び選手
高跳びの高校生がジャンプの踏切の際に左の股関節に力が入らないということで来院されました。踏切時に力が入らないため、踏切位置が遠くなり、助走も合わないということでした。
検査をすると、左右の膝下の緩み、左腸腰筋がうまく使えてない状態でした。左の股関節の原因は腰が原因だったので、腰の矯正治療を行い、左右の膝下の緩み、股関節の筋肉がうまく動くようになるためのトレーニングを指導しました。
痛みが取れ、力が入るようになり、助走もうまくあい、踏切がうまくできるようになったことで、大会では自己新記録を出し、インターハイに出場することができましたと報告していたきました。
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左腿の痛み女子高校性 ハードル走選手
100mハードルの選手がももの痛みで来院されました。2ヶ月前から、痛みが出て、整形外科に行って検査するも、レントゲンは異常なし、筋肉も切れていない、筋肉の炎症です、休んでくださいと診断を受けたそうです。大会も近く休めないという事で来院されました。
検査をしてみると、腰のアーチがなくなっており、左の股関節がうまく使えてない状態でももの筋肉に負担がかかっている状態で、炎症が起こっている事でした。
腰の矯正を行い、股関節を使えるようにしてみることでももの痛みがなくなりました。自宅でできる腰椎のアーチを作るトレーニングを指導して股関節の強化を行い練習していただくことになりました。
継続的に治療を行い、県予選では自己ベストが出て、東海大会にすすむことが出来ましたと報告を受けました。
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腰痛女子高校性 100メートル走選手
短距離をしている陸上部の女の子が、走ると腰の痛みが出て、後半失速するとのことでした。整形外科で治療をしていたが、痛みが平行線で走ると痛みが強くなるということで、来院されました。
話を聞くと、腹筋を補強で行っており、その後特に痛みが強くなるということでした。検査してみると、腰椎アーチがなくなって、後方に出ており足が上がりづらくなっていました。走る動画を持ってみえたので見せていただくと、右足が特に後方に流れていました。腰椎の矯正をした後に腰のアーチを作るストレッチを伝えて、練習前にしていただくことになりました。
2回目の来院の時には痛みが半分くらいになっていたので、腰椎アーチのトレーニングの確認と、股関節のトレーニングをお伝えしました。3回目来院した時には、痛みはほぼなく、後半の失速もなく走れるようになりましたということでした。
その後も通院をしていただき、腰椎アーチ、股関節始動を繰り返し指導させてもらうことで、県の記録会で自己ベストが出ましたと報告いただきました。