ポールストレッチで腰痛を予防
お子さんから、「最近、腰が痛い」という相談を受けたことはありませんか?
心配になり整形外科医院へ駆け込むと、「腰椎分離症」と診断され「スポーツは禁止!安静にしていないと治りませんよ」と医師から指示されたものの「いつから復帰できるのか?」「安静にと言われても、普段は何をすれば良いのか?」と不安になることも。
腰椎分離症になる要因には様々ありますが、多くは運動やスポーツによる腰骨への反復する負担が原因で腰椎分離症を発症していきます。
この腰椎分離症ですが、青少年の10%にみられ、さらにスポーツを行なっている子供と運動を行なっていない子供を比較すると発生率が3倍もの差があります。ですので、諸要因ありますが、「運動/スポーツをしている子供」は重要な発生要因であることは周知の事実です。
支える筋肉が弱いと、腰骨への負担が増える
腰骨の動きをコントロールするのは、“筋肉”です。しかし、成長過程のこども達の場合十分に体幹(お腹や背中)の筋肉が発達しておらず、骨性支持への依存が大きくなります。
基本的にヒトの背骨を支えているのは、背中側にある背筋群の中でも腰部多裂筋が、お腹側にある腹筋群の中では腹横筋がインナーマッスルとして背骨を支えています。
しかし、これらの筋肉が弱い、もしくは機能不全を起こしていると、背骨や腰骨を支えたくても支えきれず運動調整が困難となり、腰部に負担をかけてしまいます。
インナーマッスルを鍛える
腰椎分離症の原因の1つである「背中側にある背筋群の中でも腰部多裂筋」および「お腹側にある腹筋群の中では腹横筋」といったインナーマッスルを鍛えることが、分離症の予防に効果的です。
また、分離症と診断された場合でも、インナーマッスルを鍛えることで、骨性支持への依存が大きくなり腰痛が軽減されるケースもたくさんあります。
「筋肉を鍛えると身長の成長が止まるのでは…」と心配されている保護者の方々がいらっしゃるのですが、筋肉ムキムキのマッチョになるほどの筋トレをするといった必要以上の負荷をかけなればそうした心配はございません。
例えば、うつ伏せになり、足首を固定して、身体を弓なりに反らす背筋を鍛える運動を1日3分程度行うだけでも効果があります。
身体の柔軟性を上げる
身体の柔軟性を上げると同時に、インナーマッスルを鍛える方法があります。
それは、「棒ストレッチ(ポールストレッチ)」です。息を大きく吸い込むことで「腹横筋」という体幹のインナーマッスルも鍛えることができます。
やり方は簡単。棒を肩幅より少し広めに頭の後ろで持ちます。そして、棒を頭上に持ち上げます。「もうこれ以上、上げられない…」と思うぐらいまで、思いっきり上まで棒を上げて、おおよそ10秒間固定です。
その後、頭の後ろまで棒を下げ10秒程度固定。そして、再度棒を持ち上げます。これを数回繰り返すストレッチです。
このように、「こどもの腰痛の原因に多い腰椎分離症」は適切な知識を持って、適切な対処を行えば十分防げるケガですし、仮に分離症になってしまったとしても「ただ安静に」するよりも早くスポーツに復帰できる身体を取り戻す方法があります。